『キッチンの天板どうする?』2002.07.28.

 キッチンを考える時、空間との相性で扉の素材や色を考える方が多いようです。そして、天板はというと、使い勝手を優先させる割合が高くなります。でも、ちょっと待ってください。ご自宅のキッチンを眺めてみてください。天板って意外に視界の中で大きな面積を占めてませんか?それは扉が垂直面なのに対して天板は水平面だからです。よっぽどの大邸宅でもない限りキッチンを遠目に見るなんてことはあまりしません。そうすると、イヤでも、天板は視界の中に飛び込んできます。だから、扉以上に気を使って選択しなければならないと思います。

 キッチンの天板というと、ステンレス、人工大理石、天然御影石の3つでほとんどの割合を占めています。海外に行くと、メラミン化粧合板がまだ多く見られるようですが、日本ではほとんどないと言っていいでしょう。あと、天然大理石もたまに見ますね。〜大理石と御影石は分けて考えてください。大雑把に言うと「つぶつぶが見えるのが御影石、ウネウネしてるのが大理石」大理石は御影石に比べて酸に弱いという特徴があります〜他には、タイル、集成材等が使われます。

 ここでは最初の3つについて考えてみます。まずステンレスの特徴は、硬い、薬品に強い、などキッチンの素材としては理想的だと思います。しかし反面、金属特有のギラギラした感じや映り込みなどがインテリアによっては合わなくなります。次に人工大理石ですが、つなぎ目が分からないくらいきれいに接着できますから、どんな長さでも、どんな形状でも製作することが可能です。また、現場で加工できるので、施工性がよく壁〜壁にぴったり納まります。欠点としては、酸に弱い、熱に弱い等が見られます。と言っても日常の使用ではほとんど支障のない範囲なので、最近のキッチンの8割ぐらいが人工大理石を使っているのではないでしょうか?そして天然御影石。なんと言っても、豪華だぁ!というイメージになりますよね。さらに熱を伝えにくいという特徴から、御菓子やパン、パスタ、ピザなどをこねる時の天板としては最適な素材です。これらの印象は、天板の厚み(素材の厚みではなく、天板そのものの厚み)によっても印象がかなり違います。

 そして、一番気になるのは値段ですよね。一般には「御影石はすごく高い。ステンレスは安い。人工大理石はその中間」見たいな意見を耳にすることがあります。でもちょっと待って、御影石は、種類によってもかなり違いますが、安めの御影石であれば、実は他の2つとほとんど変わらないぐらいなんです。人工大理石はシートの大きさが決まっているので、その大きさよりもちょっと大きい(我々は歩留まりが悪いといいます)キッチンだとかえって、御影石よりも高くなることがあります。なので、一概に「御影石だから高い」とは言えないのです。ステンレスも、「流し台」のようなプレスで大量に作るものだと確かに安くできますが、溶接して、磨いて、仕上げて、、、と手間がかかりますので、そんなに安くはなりません。やはり人工大理石と変わらないぐらいです。

 だから、みなさん、とりあえず値段のことはひとまず気にせず、使い勝手と、インテリアとの相性とを最優先に考えてキッチンの天板を考えてみてはいかがですか。

目次に戻る 前を読む 次を読む
このコメントに意見する(もしくはSTUDIO KAZに仕事を依頼する)