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re-kitchen/m 

築10年ほどの大型マンションにリフォームされたキッチン。リフォーム前は壁で囲まれた6.4m2のスペースであったが、この空間に窓がないことと、天井につけられた蛍光灯の照明であることで、とても暗く閉ざされた印象だった。2年ほど前にリビング・ダイニング(以下LD)をリフォームされ、(その時にはキッチンには手を付けなかったため)その差がいっそう明確になっていた。今回の目的は開放的なキッチンにすることであるが、壁を取るため、LDとの調和も課題となった
 LDの床はグレーっぽくなったブナの古材フローリングであり、同じ素材にすることは不可能。クッションフロアなどの工業製品では完全に力負けしてしまう。かといって、御影石や大理石のように「きれいな」仕上げは、この空間に合わない。そこで、選んだ素材はタイル。LDの雰囲気と合わせて、和風のイメージを持った緑と黒のタイルを「規律あるランダム」に全体のバランスを考えて柄を決めていった。
 壁と天井は櫛引き模様を施した左官壁。そして、全体的にモノトーンの「渋い」インテリアに合わせるため、シナ合板を使う。通常であれば、シナの突板を練り付けた合板を使い、きれいに塗装するのだが、今回はきれいにしたくなかった。しかし職人に「汚く塗って」というのは失礼であり、難しい。そこで、普段は塗りつぶしの下地に使うような、「きれい」でない合板を使い、普通に塗装してもらう。天板はステンレス。御影石のように偉ぶってなく、大理石のようにすましてなく、人工大理石のように媚びを売ってない。素材そのものが主張している。ただ、素材感を大切にするため、薄板の折り曲げとせず、4mmの厚さをそのまま見せている。仕上げはバイブレーション仕上げとし、柔らかく光を反射している。
 この空間にはどんな冷蔵庫を持ってきても似合わない。そこで、冷蔵庫も電子レンジなどと同様に収納されている。
 そして、この空間のために「スツール」もデザインされた。詳しい説明はfurnitureのページで。
第四回キッチンスペースプランニングコンクール (2002 キッチンスペシャリスト賞)

photo by Nacasa & Partners